・数値例 20隻の艦隊を建造費の20%(改造費比率:c=0.2)で改造した場合、改造費は4隻分となる。 また、その戦闘を無改造で臨むと毎回4隻の損害が発生し(損害比率:d0=0.2)、改造によってこれを毎回2隻まで減らすことができる(改造後損害比率:d1=0.1)ものとする。 戦闘回数が3回の場合 改造無しの場合、3回戦闘を行った時の損害は、4 × 3 = 12 隻分 一方、改造ありの場合は、そもそもの改造で4隻分かかる。さらに毎回補充する艦艇にも改造の費用がかかるから、2 × (1 + 0.2) × 3 = 7.2 隻分。 合計で 11.2 隻分の費用がかかり、改造ありの方がコストが安くなっていることが分かる。 ちなみに、戦闘回数が2回の場合、改造無しのコストは8隻分、改造ありのコストは8.8隻分となり、まだ赤字となっている。 ・モデルの前提 簡単化のため、改造以外の条件を一定(敵の種類、規模、装備、彼我の作戦および指揮官など)とし、同一の戦闘を繰り返すものとする。 また、毎回の戦闘ごとに艦隊の配属可能な限界数まで補充を繰り返すものとする。 以下では、改造なしの場合と改造ありの場合の戦闘により発生するコストを艦数で評価するモデルを考える。 ・立式 改造なしの時の損害比率:d0 改造ありの時の損害比率:d1 改造費比率:c 艦隊の艦艇配属数:m 戦闘回数:n 改造無しのコスト:配属数×改造なしの損害比率×戦闘回数 ・・・ (1) 改造ありのコスト:配属数×改造費比率+配属数×改造ありの損害比率×(1+改造費比率)×戦闘回数 ・・・ (2) (1) > (2) の時、改造は有効 (1) = m × d0 × n (2) = m × c + m × d1 × (1 + c) × n m × d0 × n > m × c + m × d1 × (1 + c) × n これをcについて解く d0 × n - d1 × n > c + d1 × c × n ・・・(3) (d0 ‐ d1) × n / (1 + d1 × n) > c ・・・(4) ・考察 (4)式の左辺のうち分子の d0 ‐ d1 は、その改造の有効性を示す。これが高くなるほど、改造に高い費用を許容することになる。 一方、分母の 1 + d1 × n は、改造ありの場合の補充コストをあらわす? ここで、理想状態について考えてみる。すなわち、改造しなければ損害が発生していたところ、改造によって損害を0に抑えることができる場合である。 d1 = 0 これを(4)式に代入すると d0 × n > c ・・・(5) この場合、d0 もそこまで大きな値になるとは考えにくいため、改造費を償還するにはnを多く見積もらなければならないかも。 とりあえず、d0 = 0.1とする。ぶっちゃけd0 = 0.1も無いと思うけど。これだと改造には建造費のだいたい50%ぐらいかけても、技術開発分まで回収できそう?